おこづかいって、いつから始めるのが正解?
早すぎて金銭感覚が崩れたらどうしよう。
でも周りはもう始めているみたい…
そんな不安で、なんとなく先延ばしにしていませんか。
銀行員としてお金の相談に向き合い、親子向けマネー教室の講師としてたくさんのご家庭の悩みを聞いてきた中で、私自身も同じ気持ちでした。
そして我が家では息子が4歳のときにおこづかいを始めてみて——
「おこづかいは早ければいいわけじゃない」
「でも、タイミングをつかめば最高の学びになる」
と実感しています。
この記事では、銀行員・講師としての経験と、我が家の実体験をもとに、おこづかいを始めるタイミングの見極め方をお伝えします。
おこづかいはいつからが正解?
結論、年齢の正解はありません。
大切なのはこの3つ。
- ▶ 年齢より子どもの様子
- ▶ 家庭の価値観
- ▶ 無理なく続けられるか
「周りが始めたから」「小学生になったから」という理由だけで焦らなくて大丈夫です。
こんなサインが出たら始めどき
次の様子が見えてきたら、おこづかいを検討するチャンスです。
- ・お店で「これ買って」と言う回数が増えてきた
- ・欲しいものを自分で選べるようになってきた
- ・「全部は買えない」と言うと納得できるようになってきた
- ・お金を払うと物が買えることを理解している
特に、本人が何かを欲しがっているときはベストタイミング。
おこづかいは「我慢の訓練」ではなく、「考える練習」だからです。
まずはここがわかればスタートできる
おこづかいを始められる目安は、とてもシンプルです。
- ・ガチャガチャはお金を入れないと出てこない
- ・お店の商品は勝手に開けない
- ・お金と交換で買える
こんな「お金の基本ルール」がなんとなくわかっていれば十分。
早い子だと2~3歳頃から見られる姿です。
年齢の目安と考え方
我が家では4歳から始めましたが、一般的には小学校低学年頃に始める家庭が多いです。
幼児期から始めるメリット:
- まだ親の目が届きやすく、見守りやすい
- 扱う金額が小さいから安心して失敗させられる
- 小学校入学前に簡単な計算の練習になる
- お金を怖がらず自然に向き合える
小学生から始めるメリット:
- 足し算引き算ができ理解がスムーズ
- 1週間・1か月など計画的に管理しやすい
- ルールや約束を一緒に決めやすい
- 使い道が広がり、お金の勉強への意欲が強まる
- 消費税や値段比較など社会とつなげて学べる
金融教育の先進国イギリスでは、3〜5歳からお金の学習が始まります。国際的な観点からも、4歳でお金の扱い方を教えるのは決して早すぎることはありません。
ただし、遅くとも小学校中学年までには始めたいところです。成長に伴って親と一緒に過ごす時間が減り、行動範囲も把握しづらくなるからです。
「早く始める=いい」ではない
ここで大切なことをお伝えします。
おこづかいは、早く始めればいいというものではありません。
無理に始めない方がうまくいくこともあります。
- ・管理が親の負担になってしまう
- ・ルールが曖昧でトラブルになる
- ・親子ともにストレスになる
- ・子どもがまだ興味を示さない
大切なのは、家庭に合った形で、無理なく続けられることです。
焦って始めて挫折するより、準備ができてから始める方がずっと良い結果につながります。
「うちはまだ早いかも」と思ったら
いきなり制度を始めなくても大丈夫。
日常の中で、お金に触れる機会を作るだけでも十分な学びになります。
- ・買い物で一緒に値段を見る
- ・選んだ理由を聞く、話す
- ・レジで支払いを見せる
- ・「これとこれ、どっちがいい?」と選ばせる
こうした関わりも、立派なお金の教育です。
買い物での声かけなど、[マネー教育の始め方]の記事も参考にしてください。
おこづかいは「管理の練習」
おこづかいの目的は、子どもにたくさんのお金を持たせることではありません。
「自分で使って、失敗して、気づく」ための小さな練習の場です。
おこづかいで育つ力
おこづかいを続けていく中で、子どもは少しずつ、こんな感覚を身につけていきます。
- ・使えば減るという当たり前の実感
- ・全部使ったら次まで待つ忍耐力
- ・限られた中で何を選ぶか考える判断力
- ・欲しいものを一度立ち止まる経験
- ・貯めれば、できることが増えるという気づき
どれも生きていくうえで大切なことで、机の上の勉強よりも体験した方が早く身につくことばかりです。
だからこそ、最初から上手に使えなくても全く問題ありません。
むしろ、失敗する金額が小さいうちに経験させるのがおこづかいのポイントです。
たとえば、子どもが400円を使って後悔する経験と、大人になってから4万円を使って失敗する経験。どちらが痛手が大きいでしょうか。
おこづかいは、ダメージの小さいうちに「考える力」を育てる時間でもあります。
始める前に知っておきたい3つのこと
おこづかいを始める前に、親が意識しておきたいことがあります。
1. 親が管理しすぎない
「これは買っていい」「これはダメ」と全部決めてしまうと、考える練習になりません。
基本的には子どもに決めさせるのがおすすめです。(危険なものや年齢制限のあるものは除く)
ただし、家庭の方針でどうしても買ってほしくないものがあれば、事前にルールを決めておくといいですね。
2. 細かいルールを決めすぎない
最初から完璧なルールを作ろうとすると、親子ともに疲れてしまいます。
- ・週(または月)にいくら渡す
- ・なくなったら追加しない
- ・危ないものは買わない
このくらいシンプルで大丈夫です。必要に応じて後から調整できます。
3. 使い方を否定しない
「そんなのに使うの?」「無駄遣いだよ」と否定ばかりしていると、子どもは自分で考えなくなります。
失敗も含めて「学ぶための時間」と考えると、多少の「無駄づかい」は大切な経験になります。
ただし、失敗から学ぶチャンスは作るといいでしょう。
「全部使っちゃって後悔してない?」 「次はどうする?」
こんな声かけで、振り返りができるようサポートしてあげてください。
【体験談】4歳からのおこづかい制

我が家では息子が4歳の頃から、こんなルールで始めました。
金額: お仕事(お掃除)1回50円
使い道: 基本的に自由(不衛生なもの以外)
その他ルール:
- ・もらったお金は最初に使い道ごとにわける
- (自分で使う・人のために使う・貯金)
- ・お金は大人と一緒に使う
- ・使ったらノートに買ったものの絵を描く
最初はおこづかい帳をつけさせようとしましたが、4歳児には難しすぎました。無理に続けず、「買ったものの絵を描く」という形にしたら、親子ともにストレスが減りました。子どもも「お絵かきノート」と呼んで楽しんで描いています。
半年後の変化~初めての買い物
お仕事をしてコツコツ貯めたお金で、息子が初めて買ったのは何だと思いますか?
なんと「70歳になる祖父へお祝いの花束」でした。
息子が自ら「プレゼントを買いたい」と言ったもので、自分で貯めたお金で「誰かのために使う姿」に胸が熱くなりました。
失敗も大事
順調に貯金できるようになった半年後、今度は自分の欲しいものを買うためにお金を貯めました。
いよいよ目標額が貯まったのでお店に買いに行くと…
息子:「(欲しかった物が)あった!やっと買える!」
私:「よかったね。…ん?ちょっと待って、これお金たりないんじゃない…?」
子ども:「え!?なんで!?」
私:「…消費税がかかるからね」
なんと消費税の存在を知らなかった息子は、お金が足りず泣く泣くお店を後にしました。(消費税を教えてなかった私も申し訳ない気持ちでいっぱい…)
結局、その後調べたら他の店で安く買えることがわかり、さっそくそのお店に行って無事に欲しいものを手に入れることができました。(ホッ)
この経験で「値段の見方」を覚えた息子でした。
始めてみて感じたこと
正直、うまくいかない日もたくさんありました。
- すぐ使い切ってしまう…
- 仕事をサボる…
- おこづかい帳をつけない…
- お金をなくす…
でもそれも含めて、学びの途中だと思っています。
失敗させないことより、経験させることの方が大切だと感じました。
100円、200円の失敗が、将来の何万円、何十万円の失敗を防ぐかもしれません。
小さな失敗を息子のそばで見守り、親子で一緒に乗り越えることができるのはとても幸せです。
4歳のときの失敗も、息子が6歳になった今では「あのときあんなことがあったね」と笑い話になっています。
よくある質問
Q. おこづかい帳は必要?
A. 4〜5歳なら無理に書かせなくてOK。「何買ったの?」と会話するだけでも十分です。小学生になってから始めても遅くありません。
我が家では、当時息子がまだ字が書けなかったので、代わりに買った物の絵をノートに書いて記録していました。
Q. お手伝いと結びつけるべき?
A. ご家庭の考え方次第です。渡し方には定額制・報酬制など複数の方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
詳しい渡し方の違いは、[おこづかいの渡し方4パターン]の記事で解説しています。
Q. 貯金も教えるべき?
A. はい、最初から組み込むのがおすすめです。『余ったら貯金』ではなく『先に貯金』の習慣が身につきます。金額は親子で話し合って決めましょう。
Q. 他の家庭と金額が違うけど大丈夫?
A. 全く問題ありません。各家庭の収入状況はさまざまなので、おこづかいの金額も家庭ごとに違うのは当たり前。
大切なのは、親子で話し合って「使い道」を考えて決めた金額であることです。
金額の決め方は[おこづかいの金額の決め方]の記事で詳しく解説しています。
まとめ|始めるタイミングは家庭ごとでいい
おこづかいは、早さ勝負ではありません。
子どもが
- 「考えて使う」
- 「選ぶ」
- 「待つ」
そんな経験を積める形であれば、始める時期も方法も家庭ごとで大丈夫です。
迷っているということは、すでに子どものことをしっかり考えている証拠。
- ・子どもの様子を見ながら
- ・少額から試してみて
- ・合わなければ調整する
焦らず、今の家庭に合った形を探していきましょう。
完璧を目指さず、親子で一緒に楽しみながら始めてみてくださいね。

