使い道から逆算する「わが家サイズ」の決め方
「おこづかいって、いくらがちょうどいいんだろう?」
まわりに聞くと、500円、1,000円、3,000円…ほんとうにバラバラで、余計に迷いますよね。
- 少なすぎたらかわいそう?
- 多すぎると金銭感覚が心配?
- みんなはどうしてるの?
- まだ早いかな?
私もずっと同じことでぐるぐるしていました。銀行でお金の仕事をしていても、わが子のことになると自信ゼロ。
この記事では、親子マネー教室やわが家の試行錯誤からたどり着いた「使い道から逆算して金額を決める方法」をやさしくまとめます。
このやり方なら…
- ▶よその家と比べなくていい
- ▶子どもに説明できる
- ▶学年が上がっても使える
「戻ってこられる基準」がつくれます。
『まだ早いかな?』と、始めどきそのものに不安がある場合は、【子どものおこづかい、いつから始める?】の記事も参考にしてみてくださいね。
おこづかいの金額に正解がない理由
最初にいちばん大事なこと。
おこづかいの金額に、みんな共通の正解はありません。
理由はとってもシンプルで、
- ・住んでいる地域の物価が違う
- ・家計の余裕も違う
- ・子どもの性格も違う
同じ金額になるほうが、むしろ不自然なんです。
「学年×100円」はもう合わない
数年前は「学年×100円」や「年齢×100円」という目安がよく言われていました。
どちらも「ざっくり考えるためのヒント」としては悪くありません。
ただ、今の物価や子どもの遊び方を考えると、どちらもそのまま当てはめるには無理があるのが正直なところです。
- ≪現在の物価≫
- ジュース:150円前後
- ガチャガチャ:300〜400円
- お菓子:150〜200円
100円では「選ぶ練習」すらできないことが多い。だから昔の基準に合わせなくて大丈夫です。
平均は安心材料にならない
ネットや調査を見ると、「小学生のおこづかいは月1,000円前後が平均」といった数字を目にすることもあります。
でも「平均1,000円」と聞いてホッとするのは、それが「統計の真ん中」だからです。
大切なのは、わが家の生活で「何にいくら必要?」が言葉になっていることです。
私も最初は「みんないくら?」ばかり気にしていました。でも息子と使い道を書き出したら、ふっと楽になったんです。
まずはここから|今、何にお金を使っているか全部書き出す
わが家が最初にやったのは、とても地味な作業でした。
今の生活で何にお金を使っているかを、ノートにバーッと書き出すだけ。
お菓子、ガチャガチャ、文房具、ゲーム、洋服、習い事、プレゼント、友だちと遊ぶお金…
ポイントは、
・今親が払っているもの
・この先、子どもに支払いを任せたいもの
を分けずに、いったん全部書き出すこと。
最初から「これはおこづかい」「これは親負担」と決めなくて大丈夫です。
一旦すべて洗い出すことで、子どもは「自分ってこんなにお金かけてもらってるんだ」と気づくでしょう。
一緒にリストを眺めながら、
「今はママが払ってるけど、ちょっとずつ自分で管理していこうね」
そんな会話ができれば、それだけで立派なマネー教育になります。
いきなり完璧を目指さない|最初は子どもが管理するのは2つだけ
使い道を全部書き出してみると、「こんなにあるの?」と少し圧倒されるかもしれません。
でも、ここで一気に全部を決めようとしなくて大丈夫。大切なのは、どれから子どもに任せるかを考えることです。
おこづかい教育は、分け方の数を増やすことではなく、子どもが管理する範囲を、段階的に広げていくこと。
最初から全部を子どもに任せる必要はありません。
はじめの段階で大切なのは、「自分で管理するお金」を最小限にすること。まずは、この2つだけで十分です。
① 自由に使うお金
② 貯めるお金
①自由に使うお金
例:ガチャガチャ・お菓子・ジュースなど
→ 選ぶ練習ゾーン
今すぐ欲しいものや、日常のちょっとした楽しみに使うお金です。
親としては「買えるけど、正直あまり買いたくないもの」をここに入れると気持ちがラクになります。コンビニのジュース、ガチャガチャ、キャラクターシールなど…
こういうものは「欲しいなら自分のお金でどうぞ」と線引きすると、親も子もすっきりします。
※家庭の方針でどうしても買ってほしくないものがあれば、事前にルールを決めておきましょう。
②貯めるお金
例:ゲームや少し高いおもちゃなど
→ 待つ力ゾーン
高くてすぐには買えないけれど、欲しいものを買うために貯めるお金です。
ここを最初から入れておくことで、「貯金は余ったらするもの」ではなく「収入から先に確保するもの」という感覚が身につきます。
これは大人の家計管理にもつながる、とても大事な考え方です。
もし今は特に欲しいものがなくても、「欲しいものができた時のために貯めておこうね」でOKです。
この段階では文房具や洋服、習い事など、親が払うものは、引き続き「親の管理ゾーン」に置いておきます。
まずは「お金は使えば減る」「選ぶ必要がある」「待つこともある」。
この3つが体感できれば十分です。
金額はこうやって逆算する
①と②が決まると、必要な金額が見えてきます。
今の物価感で計算してみると
たとえば
- お菓子150円×1個
- ガチャ300円×1回
→ 週450円くらい → 月1,800円前後
+ 貯める1,000円
→ 合計:月3,000円程度
これより少なくても多くても大丈夫。大事なのは「計算の過程」です。
この金額が家計的に問題なければ、おこづかいの月額は決定です。端数は切り上げ・切り捨てでOK。
週200円からのスタートでも全然問題ありません。むしろ小さく始めて、様子を見ながら調整する方が安心です。
慣れてきたら|管理する範囲を少しずつ広げる
2つの管理に慣れてきたら、少しずつ「任せる範囲」を広げていきます。
ここからは家庭ごとに選んでOKです。
「任せるところ」を整理する
ここまでの時点で、子どもが自分で管理しているお金は、次の2つです。
①自由に使うお金
②貯めるお金
これ以外のものは、まだ親が管理するお金のまま。
「どこまでが自分のお金で、どこからがまだ親の役割なのか」
この境界線がはっきりするだけでも、ステップアップです。
① 自由に使う
② 貯める
③ 親が払う
③親が払うお金
例:文房具・洋服など
→ 成長に合わせてバトンタッチ
最初はほぼここで大丈夫です。学年や成長に合わせて、少しずつ任せていくイメージです。
例:小学校低学年→親がほぼ全て、小学校高学年→文房具は自分で買う、中学生→部活の道具も自分で管理
余裕が出てきたら|お金の「使い分け」を増やす
ここまでできたら、「お金にはいろいろな役割がある」という話も、少しずつできるようになります。
ここからはルールではなく型。わが家流にアレンジして大丈夫です。
① 自由に使う
② 貯める
③ 親が払う
④ 人のために使う
④人のために使う
例:プレゼント・募金など
→ やさしさを形にする練習
身近な人への贈り物や、寄付のためのお金です。寄付が難しければ、家族や友達へのプレゼントでも十分。
実はこの考え方は、将来「投資」を教えるときの土台にもなります。投資は本来、「私たちのために役立ってくれている会社を応援したい」という気持ちがベースにあるはずだからです。
目安:おこづかいの5〜10%程度
余裕ができてから取り入れても遅くありません。
失敗はぜんぶ教材
おこづかいを始めると、こんなことが起こります。
- ・初日に使い切った…
- ・迷って買えなかった…
- ・買って後悔…
これ、全部大成功。おこづかいは「上手に使う練習」じゃなく、試して学ぶ場所です。
- ▶ 使い切る → お金は有限だと体感
- ▶ 迷う → 選ぶ力がついてる証拠
- ▶ 後悔 → 次の判断材料になる
完璧にできなくて当たり前。親も一緒に試行錯誤でOKです。
一般的な金額と違っていても大丈夫
一般的な金額と違っていても、まったく問題ありません。
現場でも、小学1年生で月1,500円、小学3年生で月3,000円…全然珍しくありません。
実際に聞いた話ですが、小学4年生で月1万円を「おこづかい」として渡しているご家庭もありました。
ただしその中身は、
・ピアノの習い事の月謝
・必要経費
を含めたもの。子どもが自分で支払いを管理するための金額です。
金額だけ見ると驚きますが、これは「自由に使えるお金が多い」という意味ではありません。
何を子どもに任せるかによって、おこづかいの金額は大きく変わる。その好例だと思います。
きちんと使い道を考えて導き出した金額であれば、周りと違っていても、自信を持って運用して大丈夫です。
避けたいのは「根拠のない金額」
「周りの子がもっともらってるから」という理由だけで金額を決めないようにしましょう。
逆に、周りより少なくても、きちんと理由があれば堂々としていて大丈夫です。
見直しのタイミング
おこづかいを始めてみたら、金額の見直しが必要になることもあります。
- ・すぐなくなってしまう
- ・余りすぎて使い道に困っている
- ・子どもの生活が変わった
お子さんの様子を見ながら必要に応じて話し合いをし、金額を変えてOK。
そのうち、お子さんが「値上げプレゼン」ができるようになったら最高ですね。
場合によっては、金額だけでなく渡し方を変えてみるのもいいかもしれません。
具体的な渡し方は【おこづかいの渡し方4パターン|我が家に合う方法の選び方】で詳しく書いています。
おこづかいは「育てていくもの」
これから先、物価も子どもの世界もどんどん変わります。だからおこづかいは「一度決めたら固定」じゃなくて大丈夫。
親子で話し合いながらアップデートしていくものです。
むしろその過程こそが、いちばんのマネー教育。金額そのものより、
- ・どう考えたか
- ・どう見直したか
- ・どう話し合ったか
この経験が、子どもの「生きるお金の力」になります。
よくある質問
Q. 兄弟で金額を変えてもいい?
A. もちろんOKです。年齢や生活状況が違えば、必要な金額も違います。ただし、なぜ金額が違うのかを丁寧に説明することが大切です。
Q. 週払いと月払い、どっちがいい?
A. 幼児〜小学校低学年は週払い、小学校高学年以降は月払いがおすすめです。小さい子には1ヶ月は長すぎて、計画が立てられないからです。(学年は目安なので、お子さんの性格などに合わて決めてくださいね。)
まずは今日これだけやってみて
早速、普段の生活の中で、何にお金を使っているかリストアップしてみてください。(親子で取り組めたら最高!)
完璧にやろうとしなくて大丈夫です。最初は「たたき台づくり」くらいの気持ちでOK。
金額を細かく計算するのは、その「次のステップ」で大丈夫。
まとめ|「どう決めたか」が、いちばん大事
おこづかいの金額は、「使い道から逆算して決める」のがおすすめです。
<流れ>
全体の使い道を書き出す → まず子どもに任せるものを決める → 金額を計算する → 慣れたら任せるものを増やす
この順番なら、根拠のある金額設定ができ、他の家庭と比べて不安にならず、子どもにも説明しやすくなります。
おこづかいは金額の正解探しより
- ▶ どう考えたか
- ▶ どう話したか
- ▶ どう見直したか
その過程がいちばんの財産。「うちはこういう理由でこの金額」と言えたら大成功です。
おこづかいはルールというより、親子の会話から生まれる「家庭のオリジナル」。正解を探すより、わが家の最適解を一緒につくっていきましょう。

